銀の光と碧い空

クラウドなインフラとC#なアプリ開発の狭間にいるエンジニアの日々

.NET CoreでUTCのISO8601形式の時刻文字列から指定のタイムゾーンに変換する

例えば 2020-03-23T12:00:00.000Z というUTCでのISO8601形式の文字列をパースしたうえで、指定したタイムゾーンでの時間に変換したいとします。2020-03-23T12:00:00.000Zであれば、日本標準時(UTC+9)で2020年3月23日21時です。これは次のようなコードで処理できます。

var tokyoStandardTime = TimeZoneInfo.FindSystemTimeZoneById("Tokyo Standard Time");
var dateString = "2020-03-23T12:00:00.000Z";
var convertedDate = TimeZoneInfo.ConvertTime(DateTimeOffset.Parse(dateString), tokyoStandardTime)

.NET Coreの場合、タイムゾーンの情報を含んだ特定の日時はDateTimeOffset構造体を使うのがよいでしょう。

docs.microsoft.com

手元の環境(Windows 10およびmcr.microsoft.com/dotnet/core/sdk のLinuxコンテナ)では、ParseメソッドやTryParseメソッドでISO8601形式が処理できました。厳密に扱いたい場合はフォーマット文字列を指定するのがよいかもしれません。与えた文字列はUTCでの日時を表現しているので、この時点でDateTimeOffsetオブジェクトではUTCである情報がセットされています。これを異なるタイムゾーンでの同じ日時に変換するためにはTimeZoneInfo.ConvertTimeメソッドを使います。もしくは、TimeZoneInfoオブジェクトの生成を経由せずにConvertTimeBySystemTimeZoneIdメソッドも利用できます。

docs.microsoft.com

TimeZoneのID指定についてはWindowsとLinux環境で異なるので昨日の記事も参考にしてください。

tech.tanaka733.net

ちなみに次のようなコードは、環境により実行時例外になります。いくつか試したところ、WindowsやWSLのUbuntuでは動くのですが、mcr.microsoft.com/dotnet/core/sdk のLinuxコンテナではエラーになりました。

var tokyoStandardTime = TimeZoneInfo.FindSystemTimeZoneById("Asia/Tokyo");
var dateString = "2020-03-23T12:00:00.000Z";
var convertedDate = new DateTimeOffset(DateTime.Parse(dateString), tokyoStandardTime.BaseUtcOffset);
Exception has occurred: CLR/System.ArgumentException
型 'System.ArgumentException' のハンドルされていない例外が System.Private.CoreLib.dll で発生しました: 'The UTC Offset of the local dateTime parameter does not match the offset argument.'

素直にドキュメントでも使われているConvertTimeメソッドを使うのが無難なようです。

.NET CoreでWindowsとLinuxでタイムゾーンを識別するID表記が異なるという話

最近、ASP.NET CoreでTimeZoneまわりのコード書いてて遭遇しました。以前このブログ読んだ記憶はあるのですが、すっかり忘れていました。そして、.NET Core 3でもそのままなんだなというのがわかりました。

devblogs.microsoft.com

.NET Coreで特定のTimeZoneを取得する場合、Windowsな人はこのようなコードを書くと思います。

System.TimeZoneInfo.FindSystemTimeZoneById("Tokyo Standard Time");

当然Windowsでは動くのですが、Unix系システムの上(多いと思われるのがLinuxコンテナ上)で動かすとこんなエラーが発生します。

Exception has occurred: CLR/System.TimeZoneNotFoundException
An unhandled exception of type 'System.TimeZoneNotFoundException' occurred in System.Private.CoreLib.dll: 'The time zone ID 'Tokyo Standard Time' was not found on the local computer.'

これはTimZoneを識別するIDがプラットフォームで異なるという問題によるものです。ブログにある通り、Windowsでは次のように管理されている一方

docs.microsoft.com

LinuxではIANAで公開されているもので管理されています。

www.iana.org

ようは、.NET Coreの内部で情報をもたずにOS(というべきか基本パッケージ・ライブラリとよぶべきか)の持っている情報へのプロキシとして動いている状況です。このあたりは日本の元号の扱いと似たような感じかもしれません。

さて、Linuxで動かすためには次のように書けばOKです。

System.TimeZoneInfo.FindSystemTimeZoneById("Asia/Tokyo");

ただし、当然のように、このコードはWindows上では動きません。そこで最初に紹介したブログではTimeZoneConverterというNuGetライブラリを紹介しています。

github.com

これを使えば次のどちらで書いても動作します。

TimeZoneConverter.TZConvert.GetTimeZoneInfo("Tokyo Standard Time");
TimeZoneConverter.TZConvert.GetTimeZoneInfo("Asia/Tokyo");

また、タイムゾーンの情報を扱う場合、最新の変更はWindowsであればWindows Update、Linuxであればtzdataパッケージの更新などで配布されます。そのため、クライアントアプリなど実行環境が管理できない場合、かならずしも実行結果が一致しない可能性があることに加え、TimeZoneConverterは.NET Core SDKのライブラリではないため別途更新が必要となります。TimeZoneConverterは、TimeZoneの情報そのものを格納しているわけではなく、プラットフォームで異なるIDのマッピングを管理しているだけのようですので、このライブラリを使う場合は、かならずライブラリの更新とOS側の更新が必要になると思われます。

AZ-300 Microsoft Azure Architect Technologies に合格しました

Ignite The Tourに参加するといくつかの検定試験の中から一つ無料で受けられます。

docs.microsoft.com

というわけで時間がある冬休みに受験を思い立ち、1週間ほど準備して合格しました*1。どんな準備をしたかについてメモしておきます。

*1:得点としてはかなりギリギリでしたが公式認定証が出たので大丈夫でしょう

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