Red HatとMicrosoftが協力している技術分野に関して立て続けにプレスリリースが発表されています。いくつかの内容についてはすでに発表済みですが、再度まとめての記事になっているようです。
技術的な詳細はまだ発表されていないものもありますが、簡単にまとめてみます。
Windows Server containers on Red Hat OpenShift
OpenShiftというのはRed Hatの提供するContainer as a Serviceのソフトウェアですが、これがWindows Server containersをネイティブにサポートするとあります。5月のRed Hat summitでデモが行われたのですが、あくまでこのときは、OpenShiftが内包するkubernetesがWindows Server Containerをサポートしようとしているので、こういう可能性もある、が具体的なロードマップとしては考えていないという状態でした。これが今回明確にロードマップにのったことになります。2018年春にプレビューが利用可能になるようです。
より詳細にはブログ記事が出ています。
注目ポイントはここでしょう。
Said succinctly, let Windows run Windows Server containers and Red Hat Enterprise Linux run Red Hat Enterprise Linux containers, while OpenShift orchestrates them as building blocks to compose your next generation applications.
つまり、Windows Server ContainersがLinuxで動くようになったり、その逆ができるようになるわけではなく、あくまでWindows Server ContainerはWindows Server上で、RHELコンテナーはRHEL上で動いて、OpenShiftはそれらをまとめてオーケストレーションするということのようです。
Red Hat OpenShift Dedicated on Microsoft Azure and Red Hat Enterprise Linux on Microsoft Azure Stack
OpenShift DedicatedというのはRed Hatがインフラの面倒まで見てくれるサービスで、今のところAWSとGCP上での提供となっていました。今回、Azure上での提供が可能になるとあります。
また、RHELをAzure Stack上でもサポートするとも記述されています。
SQL Server on Red Hat Enterprise Linux and Red Hat OpenShift
SQL Server for Linux についてもRHELとOpenShift上でサポートすると記述されました。
.NET Core 2.0
Red Hat版.NET Coreのリリースが発表されました。
Red Hat版というのは以前Build Insiderで書いたこの記事に詳しく書いています。
RHELやOpenShiftでサポートする.NET Core SDKというのは、Red Hatがrpm形式で配布しているものであり、これがMicrosoftが提供しているものとは違うという話です。特に.NET Core 1.x 時点では、Red Hatはビルドツールのcsprojへの移行を行わない決断をしたため、大きな違いが生じていました。.NET Core 2.0のリリースでついにproject.jsonとも完全におさらばできます。
ブログ記事も公開されています。
Red Hat Releases .NET Core 2.0 – RHD Blog
Quick Introduction of .NET Core 2.0 – RHD Blog
また、OpenShift上で利用するためのs2iイメージやテンプレートについても鋭意作業中のようです。