銀の光と碧い空

クラウドなインフラとC#なアプリ開発の狭間にいるエンジニアの日々

2022-01-01から1年間の記事一覧

OpenTelemetry .NETを理解する (9) .NET 7でのOpenTelemetry対応の強化

この記事はOpenTelemetry Advent Calendarの6日目の記事です。 qiita.com 先日リリースされた .NET 7ではObservabilityへの投資がリリースブログに項目にあります。 devblogs.microsoft.com .NETにおけるOpenTelemetry対応は、.NET本体ではなくOpenTelemetry…

.NET 7で導入されたビルトインコンテナサポートを試してみた

.NET 7になって .NET SDKだけでコンテナのビルドができるようになりました。 devblogs.microsoft.com このブログの最初にある通り、Microsoft.NET.Build.Containers というライブラリを追加すると利用できる機能ですが、(temporary)とあるのでそのうち不要に…

.NET 7についてまとめてみた

自分の勉強がてらまとめています。公式ブログを日本語で、すぐ目を通せることを目的にしています。この記事では.NET 7のテーマについてまとめています。 devblogs.microsoft.com .NET 7の新機能 シナリオ ユニファイド 1つの基本ライブラリ .NET 7をターゲッ…

OpenTelemetry .NETを理解する (8) 手動でのトレースの接続例: Azure Service Busを経由したアプリ間でトレースをつなげる

複数サービス間での分散トレースは、必要な情報をサービス間で伝搬するContext Propagationによって実現されています。 opentelemetry.io HTTPでサービスを呼び出している場合、HTTPヘッダーを利用して伝搬させることがほとんどで、最近になってW3C Trace Co…

Visual Studioからdocker composeを使っていて、突然「unexpected character "»" in variable name near "\ufeff" 」というエラーが出たら

"\ufeff" はかの有名なByte Order Mark(BOM)です。 現状のdocker composeでは.envファイルなどにBOMがあると正しく処理ができずエラーになるようです。 github.com Visual Studio使わない場合でも起こりえると思いますが、Visual Studioを使った docker co…

インサイドWindows第7版(下)第10章の書評

今回、インサイドWindows第7版(下)を山内さんより献本いただきました。全部読了する前に、最も興味を惹かれた第10章「管理、診断、トレース」を読んで、書評を掲載します。なお、ご自身のブログにて目次が公開されています。 yamanxworld.blogspot.com この…

OpenTelemetry .NETを理解する (7) おさらいとASP .NET Coreでの計装サンプル公開

ここでいちどおさらいです。 OpenTelemetry .NETの現在地 GitHubのページで確認できる通り、Logs、Metrics、Tracesの3要素ともStableになりました。 github.com が、注意書きにある通り、ILoggerなどのログフレームワークから出力されたログを取り込む OpenT…

OpenTelemetry .NETを理解する (6) コード修正不要な自動計装ライブラリを利用する

前回の投稿から時間が空きましたが、今回は今までとは違う方法での計装を試してみます。 今までの方法は、ソースコードの修正を前提とするものでした。トレース、ログ、メトリクスの1つ1つを詳細に計測するコードは必要なく、例えばASP.NET Coreに対応した計…

公開スライドをSlideshareからドクセルに移しています

今まで登壇資料などはSlideShareに公開していたのですが、徐々にドクセルに移しています。 www.docswell.com 一時期、docs.com を利用したこともあったのですが、サービス終了したこともありSlideShareを使い続けていました。が、買収により所有企業がころこ…

OpenTelemetry .NETを理解する (5) HttpClientによる外部通信処理を計測する

前回はスパンに情報を追加しました。 tech.tanaka733.net 次にトレースをさらにスパンで区切ってどの処理に時間がかかっているか計測することにします。スパンは作業の単位で区切ります。原理的には1メソッド1スパンで記録することもできますが、計測のオー…

OpenTelemetry .NETを理解する (4) Spanに情報を追加する

今回は、第2回目で計装したコードを基に、計測したSpanに情報を追加してみます。 tech.tanaka733.net 以下のコードを出発点にします。 app.MapGet("/weatherforecast", (ILogger<Program> logger, HttpContext context) => { var forecast = Enumerable.Range(1, 5).S</program>…

Observabilty Conference 2022 by CloudNative Daysで登壇しました

所属は明らかにしていますが、個人登壇という立場で「Deep Dive Distributed Tracing」というセッションをしてきました。発表内容もW3C Trace ContextやOpenTelemetryなどを中心にしつつ、できるだけ特定のツールの考え方ではなく共通で考えられているものを…

OpenTelemetry .NETを理解する (3) デバッグログを出す

OpenTelemetry .NET で計測していると、正しく動作しているか確認したいときがあります。OpenTelemetry .NETにはこのようなときのために、自己診断機能が用意されています。 opentelemetry-dotnet/README.md at main · open-telemetry/opentelemetry-dotnet …

OpenTelemetry .NET ハンズオンを行いました

C# Tokyoでの企画でOpenTelemetryの初心者向けハンズオンを行いました。 csharp-tokyo.connpass.com OpenTelemetry .NETについての発表資料はこちらです。 202202 open telemetry .net handson from Takayoshi Tanaka www.slideshare.net ハンズオン課題はこ…

OpenTelemetry .NETを理解する (2) ASP.NET CoreにOpenTelemetryをまずいれてみる

今回からは実際にOpenTelemetry .NETを使って計測してみることにします。まずは、ASP.NET Core (.NET 6)を題材にします。 OpenTelemetryのドキュメントと重なる部分も多いのであわせて参照してみてください。 opentelemetry.io 最初の計装 まずは、計測対象…

Azure Chaos Studio を試してみる サービス直接ターゲット編

先日、カオスエンジニアリングをマネージドサービスとして提供するAzure Chaos Studioが発表され、プレビューとして利用できるようになっています。 azure.microsoft.com docs.microsoft.com せっかくなので試してみようと思い、いろいろやった結果をまとめ…

OpenTelemetry .NETを理解する (1) OpenTelemetryとは

OpenTelemetry .NETを使って.NETアプリケーションを計測する方法について複数回にわたって紹介してみたいと思います。まず .NET向けの話に行く前に、OpenTelemetryそのものについてかんたんにまとめてみます。 OpenTelemetryの誕生 アプリケーションのパフォ…